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 核融合炉 炉心物理・中性子工学 / 原子炉応用 研究グループ

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九州大学
LAST UPDATE: 2016.1.10
*工学研究院エネルギー量子工学部門

松浦秀明 (MATSUURA Hideaki, Dr.Eng.)


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IEC核融合概念に基づく陽子及び中性子源の検討

核融合の研究はエネルギー生成を目的としたものばかりではありません。核融合反応の早期利用を目指して、安価でコンパクトな陽子・中性子源に関する研究を行っています。慣性静電閉じ込め(IEC: Inertial Electrostatic Confinement)核融合は、磁場閉じ込めや慣性核融合と異なり、外部電場のみを用いて燃料イオンを装置の中心部に集束させ核融合反応を引き起こそうとする概念です。他の概念のような大規模な装置を必要とせず、身近(安価)な装置で容易に核融合反応を引き起こすことが可能です。これまでに、10の8乗/secを超える、DT反応による14MeV中性子やD3He反応による15MeV陽子の発生が複数の研究グループで確認されていますが、そこで観測される以下の現象がどのようなメカニズムで何故生じるのかについては不明確な点があり、今後装置性能向上を検討するに際して重要な論点になる可能性があります。

 (1)電流の2乗に比例して発生率が増大する運転モードが何故現れるのか?
 (2)陽子・中性子発生率の空間分布に何故ふたつのピークが現れるのか?

我々は、(1)(2)に対してそのメカニズムを検討し、それぞれ下記の論文[1]-[3]にて論じています。現在は、装置内の荷電交換反応によって現れる高エネルギー中性粒子を利用した装置性能向上の可能性について検討しています。

[1] Correlation between Ion/Electron Distribution Functions and Neutron Production Rate in Spherical Inertial Electrostatic Confinement Plasmas,
H.Matsuura, K.Funakoshi, Y.Nakao,
Nuclear Fusion, Vol.43, No.9, 989 (2003). [PDF File (581kB)]

[2] Radial profile of neutron production rate in spherical inertial electrostatic confinemnet plasmas,
H.Matsuura, T.Takaki, Y.Nakao, K.Kudo
Fusion Science and Technology, Vol.39, No.3, 1167 (2001).

[3] Ion distribution function and radial profile of neutron production rate in spherical inertial electrostatic confinement plasmas,
H.Matsuura, T.Takaki, K.Funakoshi, Y.Nakao, K.Kudo,
Nuclear Fusion, Vol.40, No.12, 1951 (2000). [PDF File (187kB)]
九州大学工学研究院 エネルギー量子工学部門