研究概要
現在、下記3つのグループで研究を進めています。それぞれの内容には、密接に関連する現象・検討項目が多く存在します。それらについては、連携しながら検討を進めています。
6LiFペレット入射直後の重水素プラズマの発光〜6Li-d反応によるガンマ線計測実験〜(NIFS LHD)
(3.89 and 3.92 s after plasma discharge,pellet injection 3.8 s)
Project HTTRを用いた核融合炉燃料(T)の製造 実証試験へ向けて (2021) (click)
ノックオンテイル観測実験の風景 (核融合科学研究所LHD制御室)
脇坂真司君が原子力学会九州支部「第43回研究発表講演会」にて,優秀学生ポスター賞を受賞しました。“ LHD軽水素プラズマにおける6Li+p及び6Li+d反応由来のγ線スペクトル及びその評価法の検討”,脇坂真司、松浦秀明、小川国大,川本靖子,磯部光孝(2024.12)
北川堪大君が原子力学会九州支部「第42回研究発表講演会」にて,奨励賞を受賞しました。“高温ガス炉を用いたT製造法の検討 〜昇温過程を含むNi被覆Zr球の水素吸収実験解析モデル〜”,北川堪大、松浦秀明、川井大海、片山一成、大塚哲平、石塚悦男、中川繁昭、飛田健次、染谷洋二、坂本宜照(2023.12)
川井大海君が原子力学会九州支部「第42回研究発表講演会」にて,優秀学生ポスター賞を受賞しました。“高温ガス炉を用いたT製造法の検討〜Li装荷用ロッドへの10B装荷とその炉心核特性及びT流出への影響〜”,川井大海,松浦秀明,北川堪大,片山一成,大塚哲平,石塚悦男,中川繁昭(2023.12)
脇坂真司君が原子力学会九州支部「第42回研究発表講演会」にて,優秀学生ポスター賞を受賞しました。“LHD重水素プラズマにおけるノックオンテイル観測実験〜6Li+d反応で生じるγ線の計測〜”,脇坂真司,松浦秀明,梅崎大介,福田理仁,小川国大,磯部光孝,川本靖子,大石鉄太郎,能登裕之(2023.12)
梅崎大介君がThe 31st International Toki Conference on Plasma and Fusion Research (ITC31)にて,Best Student Presentation Awardを受賞しました。“Observation of knock-on tail formation in deuteron velocity distribution function by ICRF-heated energetic protons in the large helical device”(2022.11) (click)
梅崎大介君が物理学会学生優秀賞を受賞しました。「ダイバータプラズマにおける大角度散乱を利用した粒子輸送制御」by 梅崎大介, 松浦秀明, 日本物理学会第77回年次大会(2022.3) (click)
(1) 核融合炉 「炉心プラズマ核燃焼」 研究グループ
核融合炉の炉心では、高いエネルギーを持った粒子が様々な運動方向を持って連続的に生成されます。外部加熱によっても高エネルギーイオンが出現します。原子核反応の起こり易さや、衝突を介した粒子間のエネルギー輸送は、粒子間の相対速度に強く依存するため、実験で観測される現象を理解したり、核燃焼を最適な状態で維持するためには、様々な条件下で、どの様なエネルギーと運動量を持った粒子が、どの程度の割合で体系内のどの位置に存在するのかを正確に把握することが重要となります。
エネルギーや運動方向、空間分布が変わると、反応の起こり易さや、反応で生じるイオン・中性子の放出方向・エネルギー分布にも影響が及びます。これらは、核融合炉の成立性、核燃焼特性、計測・運転制御のみならず、炉壁・機器の保守、安全性、経済性の観点からも重要です。本グループでは、炉心の核反応過程、高エネルギー粒子が引き起こす核反応に関わる現象に注目して研究を行っています。
[一部は、核融合科学研究所との共同研究として実施しています。]
[ 担当学生: 博士1名、修士1名、4年生1名、最近の発表 (click here) ]
(2) 核融合炉 「光子・中性子工学」 研究グループ
DT核融合炉は、出力の8割を担う中性子を利用して、(a)炉心の状態を把握しながら運転をおこない、(b)中性子を用いて燃料を生産し、(c)中性子の運動エネルギーを回収して発電する、言わば「中性子炉」と言ってもよいかもしれません。中性子は、炉心を覆うブランケット部だけではなく、プラズマが存在する真空容器内部にも存在します。核融合反応による中性子の放出スペクトル、ブランケットでの減速過程、さらには中性子の引き起こす核反応を正確に評価することは、核融合炉の成立に対して極めて重要です。
本グループでは、炉心プラズマ内で起こる様々な要因による中性子放出スペクトルのガウス分布からの歪みを考慮し、「プラズマ内の現象」と「ブランケット特性(中性子輸送・減速・核反応)」の相関に注目して研究を行っています。
[一部は、核融合科学研究所、ITER/BA核融合原型炉設計グループとの共同研究として実施しています。]
[ 担当学生: 博士1名、修士1名、最近の発表 (click here) ]
(3) 原子炉応用 研究グループ
産業として成立している原子核反応の連鎖的な反応体系は、核分裂炉のみです。長年に亘って培われてきた炉心物理・計算手法・技術等の貴重なノウハウは、核融合炉を含む、今後の核エネルギーシステムの開発にあたり重要な知見を提供します。本研究グループでは、核分裂炉の応用を想定した研究を行っています。具体的には、高温ガス炉を利用した応用研究として、下記の研究を行っています。
(a) 核融合炉用 トリチウム製造法 の開発
(b) 長寿命核分裂生成核種(LLFP)の 核変換・中間貯蔵
[一部は、JAEA高温ガス炉水素・熱利用研究センター、ITER/BA核融合原型炉設計グループとの共同研究として実施しています。]
[ 担当学生: 修士3名、4年生1名、最近の発表 (click here) ]
Nuclear Engineering Design (2023). (click here)
Nuclear Engineering Design (2021). (click here)