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 核融合炉 炉心物理・中性子工学 / 原子炉応用 研究グループ

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工学府
九州大学
LAST UPDATE: 2022.2.1
*工学研究院エネルギー量子工学部門

松浦秀明 (MATSUURA Hideaki, Dr.Eng.)


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先進燃料核融合システムに関する理論研究

D3He核融合は、如何にして主燃料(3He)を入手するかという問題を抱えている反面、DT核融合と比較して、(1)トリチウム生産のためのブランケット(トリチウムの調達、高い性能・信頼性が要求されるトリチウム循環炉工学システムの運用)が不要であり、トリチウムに関わる諸課題・設備が大幅に軽減される、(2)中性子発生が約1桁少ない、(3)D3He反応で発生する高エネルギー陽子を利用した高効率発電の可能性もオプションのひとつとして考えられる等、環境安全性・経済性・社会的受容性の観点から魅力的な可能性をもっています。

先進燃料核融合研究と言うと、第1世代DT核融合の遥か先にある研究と思われがちですが、多くの先進燃料に関わる核反応はDTプラズマ中でもDT反応と並行して必ず生じます。又、燃料注入や運転温度の制御により特定の反応(例えばD3He)割合を高めたプラズマ(いわゆる先進燃料プラズマ)においても、DT反応は常に重要な反応であり続けます。先進燃料核融合研究は、「プラズマ燃料制御」・「核融合炉燃料サイクル」研究の側面を持ち、DT核融合研究と強く関与します。

一般的に、3Heは地上に存在せず、それがD3Heプラズマの実現に対する大きな課題とされています。しかしながら、十分な台数のDT炉が存在する未来においては、D3He核融合を実現可能な3Heが核融合システム群の中で自然に製造され得る可能性があります(詳細は下記に記載)。

「先進燃焼核融合プラズマ及びその核燃焼」,松浦秀明,
プラズマ・核融合学会誌, Vol.98, No.2, p.65 (2022). [PDF File]

九州大学工学研究院 エネルギー量子工学部門